ステークホルダー経営の再定義(提案)《№26》

更新日:9月5日

今回のCGコード改訂とともに経産省が打ち出した『成長投資ガイダンス』では、CG改革が成長投資の拡大に結び付いていないとの「新たなパラドックス」に直面しているとの認識を示した上で、その解決方法として経済的付加価値の総量を拡大することが推奨されています(『成長投資ガイダンス』の問題認識《№15》)。
しかしながら、具体的な提案として掲げられた経済的付加価値指標である『価値創造(EP)』は、人件費や各種投資・支払いを差し引いた後の営業利益ベースの指標に止まり、これまでの利益主義、資本効率経営を修正するものではありません(『価値創造(EP)』は『付加価値額』じゃない《№16》)。
私の主張は、経済成長のない失われた30年のデフレ経済下において、個社にこの利益主義、資本効率経営を強いると、激しいコストカット競争となり、新たな投資が生まれず、経済全体がデフレスパイラルに突入してしまう『合成の誤謬』に陥っているという問題提起です(個別企業行動論でなくマクロ政策議論が必要《意見❷:CGコード改訂パブコメ》)。
現在、ようやくGDPに直結する『付加価値額』を重視した経営理論や会社が登場しています。記事(スズキ・トモ教授のDS経営《№18》)では、「利益」の「率」から「付加価値」の「額」に拘り、その分配を意識する経営=DS経営をスズキ・トモ教授が提唱していることを、記事(付加価値額(人件費+利益)を定款で誓う企業登場‼《№22》)では、ついに付加価値額を定款でコミットする企業(構造計画研究所ホールディングス)が表れたことを紹介しました。これらは画期的な変化であると捉えています。
しかし、個別企業を超えて、経済社会全体の成長を考えた時には、もう数段階の修正が必要だと考えます。その解決方法が私が提唱する『付加価値創出を意識した経営』です。スズキ・トモ教授や構造計画研究所が意識する自社で生み出す付加価値(内部生産価値)のみならず、他社が実現する付加価値への貢献=原価や販管費、投資などへの支出である付加価値貢献(外部付加価値)の額を意識する経営です(付加価値創出を意識した経営へ《№20》)。

そして、これをさらにステークホルダーに対するスタンスの修正として再定義するするのが、冒頭のイラストに掲載した、株主、従業員、顧客、仕入先に、「社会(経済成長)」を加えた経営指針としての『社会的総付加価値額経営』の提案です。
「社会(経済成長)」は、自らの「経営環境」でもあるとの認識が重要となります。
本著《1-3-1》手取りが増える機序を考えよう!
~ない袖は振れない、「売上」と「利益」の違い、株主や海外とは利益相反~
本著《2-3-1》「バタフライエフェクト」と「合成の誤謬」
~その小さな羽ばたきに、社会を大きく変える力がある(想像力が試されている)~
本著《5-4-2》PBR1倍割れ問題(「資本コストや株価を意識した経営」)
~株式市場(直接変数でない株価)で企業経営を支配する~
本著《5-5-1》共通する識者の立ち位置
~個別企業の努力不足(経営環境の変化理由は考えない)~
本著《6-4-1》株主資本統治と銀行統治の違い
~株主資本統治は経済を収縮させ、銀行統治は経済を拡大させる~
本著《6-4-2》CGコードを1個に(「逆・合成の誤謬」大作戦)
~同調大国の弱みを強みに変え、付加価値支出の増加を競争させる~




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