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RMT(法令遵守の貨幣理論)

おカネは造れます❣《№32》

執筆者の写真: 福田 敏彦
福田 敏彦
9月2日
読了時間: 4分

更新日:9月11日

「国家」しか見えない(金融資本が見えない)人

世界情勢を語る際、「中国はアメリカに勝つために…」のように、「アメリカが~、中国が~、日本が~」と主語が常に「国家」となっている言論人が多くみられます。


私は耳がむず痒くなります。それは納得感がないからですが、なぜ、多くの人が「国家」だけで世の中を考えてしまうのか?その最大の要因が、おカネが生まれたり、使われたりするときの『機序』についての『解像度』が粗すぎるからだと私は考えます。


例えば、外貨準備を国家の「儲け」のように捉えている言説が典型的です。


外貨準備とされる外為特会(外国為替資金特別会計)残高約200兆円は、政府の勘定ですが政府が稼いだわけではありません。海外で稼いだのは企業であって、その稼いだドルを円に変換する場合などに生じてきた「円買いドル売り=円高」に対して、日本政府が為替介入(円高是正)を目的(特別法令)として創造したおカネに過ぎません。具体的には政府が国債を発行して日銀に引受させ、政府預金(円)を発行させます。その円でドル買い(円売り)を行い円安方向へ調整、その買い付けたドルを米国債などで運用している、これが外貨準備です。


解像度を上げないと、対象とする事象の主体が、政府なのか、企業なのか、その混合なのかが見えません。結果的に、あいまいな「国」という概念が作られてしまうなど、動機や方法論、責任の所在などが見えなくなってしまいます。




《№3》の記事で問いかけた、「おカネはいつどのように世の中で『増える(生まれる)』『減る(消える)』のでしょうか?具体的な説明はできますか?」に、今日は答えを出してしまおうと思います。


おカネを作っているメインの主体(債務を負う者)は、政府と企業です。その反対側で債権を得るかわりに、日銀当座預金、銀行預金という負債を発行するのが日銀と銀行です。日銀や銀行は、自らが無尽蔵に通貨を発行しているのではなく、「債務」を負うものが存在するお陰で通貨発行機能が発揮できているのです。




それでも、「債権・債務」が貨幣の正体であることにしっくりこない方がいらっしゃると思います。その場合、もしかしたらご自身の貨幣観が👇のイラストの左側のようになっていないかをご確認ください。


直言します。物理的な「おカネ」が制限なく主体間を移動していくようなイメージを早く捨てて下さい。捨てられない人は、ある程度理解が進んだ後でも、貨幣発行の説明で「おカネを刷る」「現金を手に入れる」のような物理的な言葉をつい使ってしまいます。これでは、理解から遠ざかり、物事の本質に迫れません。



おカネは、稼働領域制約がある「債権・債務関係」だと理解していいと思います。政府と日銀・銀行の三者間で生まれ、三者間で受け渡しが可能な「日銀当座預金」が所謂《マネタリーベース》です。一方、政府が国債を日銀宛てに発行して日銀当座預金を得て、日銀・銀行を通じて家計・企業に交付される「銀行預金」と、家計・企業が債務を負い銀行に発行してもらう「銀行預金」が所謂《マネーストック》です。やや乱暴ではありますが、「日銀当座預金」と「銀行預金」は別物だと理解してください。日銀と銀行の間に線を引いて別物と理解してもらってもいいかも知れません(具体的には機序で考えるべきですが)。


おカネは、主体間での債権・債務(記録)です。紙幣(日本銀行券)は、日銀当座預金の一部を現物化したものであり、銀行預金を保有する企業や家計が受取り可能となる日銀当座預金が形を変えた姿です。


本著《1-3-2》河村たかし・中空麻奈・小泉進次郎

~銀行におカネ余っとる・国債の格付け下げろ・選択肢を増やす~

本著《3-1-5》基本❺国債や銀行貸出の原資(信用貨幣論)

~通貨発行(日銀当座預金・銀行預金)とは、日銀・銀行が「負債」を書くこと(原資不要)~

本著《4-4-2》アベノミクス第一の矢(大胆な金融政策)

~日銀の国債買取では市中銀行の資産に溜まるだけ、世の中に回らない~

本著《4-4-3》日銀と銀行の通貨発行能力の違い

~不死身の政府(自国通貨)と倒産・死がある企業・個人~


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