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金融庁が社外取締役へ期待すること~外国人株主への受託者責任~《№31》

執筆者の写真: 福田 敏彦
福田 敏彦
8月29日
読了時間: 4分

更新日:9月10日

コーポレートガバナンス・コード(2026年改訂版)原則4-8
コーポレートガバナンス・コード(2026年改訂版)原則4-8

※この記事での下線部はそれぞれの資料へのリンクとなっています。


原則4-8から続く独立社外取締役を主語にした一連の原則は、コーポレートガバナンス・コードが持つ本質的で重要な意味を含んでいると理解します。それは、独立社外取締役とは「誰の代弁者なのか」という根源的な問題です。


「社外取締役の役割とは何か?」との問いに、私たちは「経営への適切な監督・助言などを行うこと」のような言葉が浮かぶと思います。では、実際に金融庁と東証(および識者たち)がどのように考えているかを原則4-8で確認してみましょう。


(1)としてトップにくる役割は、「経営陣の選解任」、つまり問題ある経営者を解任して入れ替えることです。次に(2)では、「経営陣・支配株主」の利益相反を監督すること、(3)では、「経営陣・支配株主」から独立した立場(他人)が、「少数株主」の意見を取締役会に反映させることとされ、先ほどの一般的に浮かぶ役割は、やっと(4)に記されていることになっています。順番、先行する内容に何らか違和感はありませんか?実は今回の改訂で(4)は従来トップだったものを降格させていますので、確信的な変更です。


ここで、東証の定義(FAQ管理番号8560)によれば「支配株主」とは親会社や過半数議決権者(オーナー経営者等)を指し、「少数株主」はその支配株主(およびその近親者・関係者)以外の株主(ガイドブック:管理番号7790)とされています。


「少数株主」に関する原則で最も重要なものは、コーポレートガバナンス・コードの1丁目1番地である基本原則1であることは疑いようがありません。「少数株主や外国人株主については、株主の権利の実質的な確保、権利行使に係る環境や実質的な平等性の確保に課題や懸念が生じやすい面があることから、十分に配慮を行うべきである。」がそれです。



さらに、東証の「2025年度株式分布状況調査(2026年7月2日)」の5ページ下段のグラフを見ると、1990年代半ば以降、銀行・生損保から「外国法人等」および「信託銀行」へと株式保有の多数派が大きく移動していることが分かります。 この構造変化を踏まえると、今日の「少数株主」の実質的マジョリティは、 ①外国法人等 ②スチュワードシップ・コードに基づきコーポレート・ガバナンス原則の価値観で企業経営に関与する機関投資家(信託銀行) である「外国人株主等」と評価できます。


そうなると、基本原則1の「少数株主や外国人株主への十分な配慮」とは、会社法109条1項の「株主平等の原則」(=株式数に応じた平等)を超えて、特定の「外国人株主等」(外国法人等・機関投資家)に対する積極的是正措置(アファーマティブ・アクション)として機能していることになりませんか?


この構造のもとで、独立社外取締役は、限られた時間(非常勤)、限られた情報(強い社外性) の中で、取締役会の議決権の多数支配(原則4-10)、リーダーシップ地位(原則4-12) を補強され、 「外国人株主等」の意見を取締役会に反映させる責務を担う存在 となっています。これは、意図の有無に関わらず制度の帰結として、独立社外取締役が「外国人株主等の代理人」として機能しているという俯瞰的に指摘できる構造問題です。



最後に今回の改訂でもう一つ認識しておくべき重要なことがあります。各コードの記載の前に「本コードの目的」が書かれましたが、その1行目に、「上場会社は、株主から経営を付託された者としての責任(受託者責任)に対する責務を負っている」とされたのです。私たちは、自律思考の勇気を持ち、これらを論理的に読み解き、真実を冷静に見つめるべきだと思います。



本著《3-3-2》コーポレート・ガバナンス基本原則の1番目

~法を超えて外国金融資本が支配する(外国人株主ファースト)~

本著《3ー3-3》株主構成の変化(総会屋から金融マフィアへ)

~銀行(通貨発行)を潰して、株式市場(所有のカネ)で支配~

本著《5-3-2》社外取締役

~金融資本の代弁者(エージェント)の個別企業への直接投入~

本著《5-3-3》女性役員30%目標(御手洗ショック)

~経営者の強制入れ替えを強化=経営の標準化・均一化~




新刊詳細『ニッポン、今こそ思い込みを捨てる時』 | Toshihiko Fukuta 公式サイト




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