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特別号 CGコード改訂パブコメ意見❸「ジェンダー多様性と資源集中原則」

  • 執筆者の写真: 福田 敏彦
    福田 敏彦
  • 8 分前
  • 読了時間: 3分

私が提出したパブコメ意見❸を公開します。


現在、東証および金融庁は、コーポレートガバナンス・コード改訂に際し、パブリックコメント手続きを実施しています(リンク先は東証による運用説明)。


ご注意:これは1分では読めません。


今回、私が提出したパブコメ意見❸を以下に公開します。


女性・ジェンダー・多様性と資源集中原則についての意見です。


『社内に異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観が存在することは、イノベーションや新しい価値創造の源泉であり、会社の変革や持続的成長を確保する上での強みとなり得る』との解釈指針は、1つの考え方に過ぎず、トッププライオリティとして掲げられるべきものではありません。なぜなら、企業経営において最も不可欠な要素の一つは「資源集中」であり、経営資源や役職員の意識・価値観をバラバラにさせないことが、企業の競争力の源泉だからです。これは全ての経営者がまず第一に考える永続的な経営原則であるはずです。


そもそもコーポレートガバナンス・コード自体が、一定の企業経営の標準化(ベストプラクティス)を目的としている以上、「ベストオーナー主義」や「事業ポートフォリオの集中」といった規範と、多様性を無条件に強調する規範が併存することは、構造的な自己矛盾を孕んでいると指摘します。


「ジェンダー・国際性・経歴(中途採用含む)・年齢・文化的背景やこれらに限られない観点から」との表現は、一見自由度を確保させた表現になっていますが、本当に自由な思考・価値観を尊重するのであれば、過去からの経緯も踏まえ、「廃止する」との表現が最も適切です。今回の改訂案では「女性」という言葉が消え、前段の解釈指針のもと、「格上げ」と表現された上で「ジェンダー」という表現に統一されました。もし、多様性への価値観の自由度を確保するのであれば、「ジェンダー」に統一して表現を残した理由を明確に説明すべきです。


ジェンダー概念は心理学者ジョン・マネーにルーツがあると理解しますが、生物学的性別とは異なる「社会的性」を重視する立場がある一方で、米国の大統領令に見られるような「性別は男性と女性の2つのみとし、実力主義を重視する」立場も広く支持を得ています。つまり、性別・ジェンダーに関する価値観は、社会を大きく変える重大な政治・社会的論点であり、単一の価値観を当然視することは適当ではありません。


内閣府は「女性版骨太方針2023」に基づき、2030年までに女性役員比率30%以上という数値目標を掲げ、東京証券取引所は2023年10月に「女性役員」という文言を用いて上場規程を改正しました。にもかかわらず、今回のコード改訂案では「女性」という言葉が消え、「ジェンダー」という抽象概念に置き換えられています。


この瞬間において、政府方針(女性版骨太方針)、東証の上場規程(女性役員比率30%)、コード改訂案(ジェンダー多様性)の間で、概念・目的・対象が一致していません。 金融庁および東京証券取引所は、この不整合について説明責任を果たすべきです。


性別・ジェンダーに関する規範設定は、企業経営の問題にとどまらず、社会全体の価値観を左右する国家的論点です。かつて岸田首相が「(同性婚で)社会が変わってしまう」と発言し、その後「だからこそ議論が必要だ」と答弁したように、まさに議論が不可欠な領域です。規範として企業に義務的に求めるのであれば、なおさら徹底した説明・開示が必要です。


パブリックコメントは、東証にとっての「建設的な議論」の場であり、寄せられた意見こそが、東証に対する「独立社外取締役」としての外部監督機能を果たすものです。この観点から、寄せられた意見に真摯に向き合い、検討していただき、対応について検討過程を含めた透明性の高い説明責任を果たす開示がなされることを強く要望します。

 
 
 

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